にこ📚

人生は物語。

オリジナリティあればOK!と開き直れる漫画「うたかたダイアログ」

こんなはずじゃなかった。小さい頃夢見た「自分」はこんなに普通で、平凡で、こんなに面白味のない人生を送っていたっけ?

高校の下校道には河川敷なんてないし、むしろ海も川もない。

いきなり自分が劇的にキレイになったり急にモテたりしない。

 

そんな日常だけど、だいたい将来予想通りにいかないし、そんなもんなんです。でも平凡でいいんです。自分らしく生きていけばそれでOK。

そう開き直ることのできるマンガです。

 

全3巻のすぐ読み切れる漫画、うたかたダイアログ。

3巻の中にたくさんの笑いとニヤけが詰まっているという傑作…!

 

リアルな高校生描写

ドラッグストアでバイトをしている2人の高校生のお話なのですが(ドラッグストアというところがまた絶妙で良いですよね)、2人のやりとりは実にリアルで、3~4年前まで高校生だった私にとっても「そうそうそんな感じ」と納得してしまうのです。

 

先輩の皆さんは高校生のことをどう思っていますか?常に流行に敏感で、SNSはみんなやっていて、急に踊り出す動画とか撮って、自分たちが中心に回っていると信じて疑わない、最強に楽しんでいる集団…とか?

 

偏見の偏見すぎたかもしれませんが、高校生、実はそんなに毎日キラキラしていたり、毎日動画を撮りまくっているわけではないんです。(あ、少なくとも私は、です。)

 

この漫画にある2人の会話のように、全員が流行りものを知っているわけではないし、全力で恋愛している人って意外と少数派だし、大人に対してちょっと引いた目で見ていることも多い。

 

THE 青春な高校生活ではなかった方々にとっては、当時の自分と重なる部分が多いのでは?と思います。

 

平凡こそ幸せ

月並みな言葉ですが、この漫画を読んだ後は、「平凡こそ幸せ」この言葉に尽きます。

 

青春を謳歌したとは言えないけれど、平凡の中にある笑いがたくさん盛り込まれているこの作品に、自分の高校生活もこんな風に小さな笑い=幸せに溢れていたと気が付きました。

私の高校生活は、大きなアップダウンもなく、平凡で、つまらなくはなかったし楽しかったけど、毎日キラキラしていたとは言えなかった。それでも友達との何気ない会話や先生との他愛無い会話などが楽しかったと思い出しました。

 

同時に、大学生になった今も、刺激に満ち溢れた人生!とは言えない部分がありますが、毎日の小さな笑いの積み重ねが、振り返った時に楽しかった思い出として残るのだろうと感じます。

 

だからこそ、平凡な人生に「平凡だなー」と嘆くでもないが賞賛もできない自分でいるのではなく、「それがね、こういう小さなことに私は幸せを感じるんスよ」と言える自分である方が楽しいし、周りにも優しく在れるのではないかと思いました。

 

大学生にもなると、周りが自分の力を磨くために外に出て行ったりたくさんの挑戦をしたり、大きな幸せをつかむために努力しています。それはとても素晴らしいことで、応援して、されて当然なのですが、そうしなくても近くにある幸せにまず気づくことも大切なのではないでしょうか。自分に「ないもの」を得ようと一生懸命努力することも人生には必要ですが、同じくらい自分や自分の周りに「あるもの」に気づき感謝し、優しく抱えて生きることも、忘れないようにしたいです。

 

P.S.

読んでくれたみなさんがどう思うのか意見も聞いてみたいなと最近思ったりもします…!!