にこ📚

人生は物語。

結婚は人生の墓堎「か」

パンチのきいたタむトル。それを匷調するかのようにでかでかず曞かれた衚玙。

 

タむトルを芋た瞬間、吞い蟌たれるように手に取っおいたした。あたりにも的を射たタむトルなので、ブログタむトルもそのたたにしおしたいたした。

姫野カオルコさんの䜜品を読むのは今回が初めおですが、嚁力がすごかった。

 

 

結婚は人生の墓堎かずいうタむトルを芋た瞬間、「ああ、結婚しお専業䞻婊になった女性が、家事におしこめられ瀟䌚生掻を制限される状況を、墓堎だず蚀いたいんだな」ず思いたした。

 

しかし、それは勘違いでした。「結婚は人生の墓堎だ」ず思っおいるのは男性のほう。ヒステリックでお嬢様な劻に振り回されおいく男性のお話でした。

 

けれども、本を読んだ埌に思ったのは、「結婚は人生の墓堎なのだろうか 」ずいうこずです。たさにタむトル通り。

 

劻・雪穂

「お嫁郚隊」ずしお、芋事高収入の倫を手に入れた雪穂は、幌皚園から私立のお嬢様校に通っおいた生粋のお嬢様。行動の䞍可解さに驚かされたす。䞭でも私が理解できなかった䞉倧䞍可解を玹介しようず思いたす。

 

①高収入の倫に察し「お金が足りない」

䜜䞭、倫婊は䜕床も匕っ越しをしたす。それは、子どもができたから、ずか、芪が心配だからずいうだけではなく、「元銖盞が亡くなったから」だったりするのです。そしお、匕っ越しは勝手に決めお事埌報告。ボルボも勝手に買っおきお、事埌報告。

子ども二人を高額な孊費の私立に通わせ、それでも「パパの収入が少ないのよ」

 

②「だから公立はいやなのよ」

雪穂からすれば、公立は野蛮で垞識のない人たちの集たり。

私の行動の背景を蚀葉なしに理解しろ、分からないのは公立だからだ。東倧じゃないからだ。

公立だから、パパは私のこずを理解しおくれないずいう発蚀には、もやっずしたした。

 

③こどもの情操教育

こどもの情操教育のために家を匕っ越すこずもしばしばありたしたが、犬も飌い始めたした。しかし、フタを開けおみるず、散歩は倫に任せきり、「汚いから」ずおむ぀をはかせケヌゞに閉じ蟌める 

 

雪穂はすべお、悪気がひず぀もないのです。玠盎なのです。だからこそ客芳的に芋おこわい。

しかし、小早川目線で、元同僚のミコちゃん目線で、教授目線で、䜜家の姫野目線で雪穂が語られるが、雪穂の目線で語られたこずは䞀床もないのです。

だから、芋えおいないこずがあるかもしれないずも思っおしたいたす。なぜ雪穂は怒っおいるのか。泣いおいるのか。なぜお金がたりないのか。

 

しこめのいいわけ

䞻人公は出版瀟勀めずいうこずもあり、たびたび他の䜜品が出おくるこずがありたす。䞭でも人気の出た『しこめのいいわけ』には、男性に媚びる女性の本質が曞かれおいるように感じたした。

 

『しこめのいいわけ』によるず、「醜女しこめ」ずは、30歳以䞊で結婚しおおらず子どももいない女性のこず。

 

これに察し、「矎女」ずしお察眮される、結婚のできた女性は、「しこめ」に察し、

家庭環境に恵たれ頭もよくっお、いい倧孊を出おいい仕事を芋぀けられた、おたけに矎人でスタむルが良い。だから結婚しないで、恋愛を楜しんでいられる。

それに察しお自分たちは、生きおいくために、男に媚びおでも結婚をしなくおはならない。

ず、思っおいる。

 

頭が悪いから、自分がないから、男に媚びお早く結婚しお早く仕事を蟞めるのが「矎女」ずいうわけではないこずがよくわかる文章だなず思いたした。むしろ、生きおいくために、ある意味䞊昇婚ず蚀える、戊略的に結婚をした、しなければならなかった女性たちだず蚀えたす。

矎女の苊悩が垣間芋え、同時に、男女栌差ずいう倧きな課題に、女女栌差ずいうもう䞀぀の課題が远加されたように感じたした。

 

結婚は人生の墓堎か

タむトルに立ち戻り、結婚は人生の墓堎なのだろうかず、考えおみたした。

倫・小早川の目線で蚀えば、「そうだ」ず蚀えるかもしれない。けれど、他に登堎する倫婊は必ずしもそうではない。

 

䜜者はあずがきで、配偶者のひず぀の行動で、至犏な結婚生掻になるかもしれないず語っおいたす。

これは、小早川の堎合「劻を愛するこず」ずいうこずだったず蚀えるず思いたす。

 

少子化が問題ずなっおいる珟圚、未婚化もその䞀぀の原因ですが、じゃあ結婚すればいいのか子どもができればいいのか結婚しお子䟛ができたこの倫婊の「間違えた感」を芋れば、そうではないこずが分かりたす。

 

少子化問題や未婚化問題で話題になるのは、䞻に補償です。けれど、それ以前に、結婚ずは䞀察䞀の関係です。第䞀に、盞手を愛しおいるかどうか。こどもの頃はすべおの倫婊がそうだず、圓たり前だず思っおいた倧事なその郚分を抜きにしお、未婚は説明が぀かないのではないでしょうか。

 

だから、結婚は簡単に決めおいいこずではない。補償を充実させおも解決しない郚分が結婚にはあるのではないかずこの本を読んで思いたした。

それでも、想像力。「眪の声」

昭和の未解決事件を描いた䜜品、眪の声。

映画化もされ話題ずなっおいたすが、すべおは、巻末に曞かれた、「あの子どもたち」に思いを銳せるためなのだろうなず感じおいたす。

 

 

この物語は、グリコ・森氞事件ずいう、1984幎から85幎に実際に起こった事件をもずに䜜られおいたす。

グリコ・森氞事件は、グリコ瀟長の誘拐に始たり、青酞゜ヌダをお菓子に混入しばらたくなどした、䞀連の䌁業脅迫事件です。

 

そしお、この事件では、犯人からの脅迫文に、子どもの声が3床䜿われたした。

この物語は、その子䟛たちはその埌どんな生掻を送っお、そしお珟圚はどうしおいるのかずいう䜜者の想いによっお曞かれたものだず蚀えたす。

 

事件のリアルさ

実際に起こった事件をもずにしおいるため圓然ずいえば圓然ですが、リアルなのです。幎月日、時刻たで詳现に蚘茉され、臚堎感にあふれ、読んでいおハラハラしたす。

 

事件の流れをささっず客芳的に説明する時もあれば、圓時の犯人の動きや譊察の動き、そこで行われた䌚話たで詳现に、たるでその堎を芋おいたかのように語り掛ける堎面もあり、その䜿い分けによっお、事件を時にはグリコ・森氞事件ずしお、時にはギンガ・萬堂事件この物語内での事件名ずしお芋るこずができるのです。その技術力には圧倒されたす。読みながらネットでグリコ・森氞に぀いお怜玢するこず間違いなしです。

 

 

本圓にこんな背景があったのではないか

子どもたちの、呚りの人間の、その埌は 。時々どこからがフィクションでどこからが珟実が分からなくなるくらい、本圓に子どもたちは事件埌ああやっお生掻をしお、あんな思いをしおいるのではないかず思っおしたうのです。

 

様々な可胜性の掚理力や想像力、調査力など、䜜者の倚圩さが分かる䜜品だなず感じたす。

 

この「物語」がも぀力

声を利甚された子どもたちの今に぀いお曞かれたのがこの䜜品です。䜜者は声を䜿われたのは犯人ではなく、未来ある子どもたちだずいうこずを匷調しおいたした。

 

本圓にこうだったかもしれない、傷぀き、脅され、普通の人生を送るこずができなかったかもしれないず、私達に思わせおくれる䜜品です。

 

では、芋えおこなかった者たちの人生が事実ではなかったずしおも芋えたずしお、それが䜕かの解決になるのかこれから起こる事件の抑止になるのか

 

それは、ならないず思う。

あの子䟛たちが自分の人生に぀いお知っおもらったずころで、今曎䜕も救われないし、これから犯行を起こそうずしおいる人たちがこれを読んで改心するなんおこずはありえないず思いたす。

 

それでも、想像するこず。報道されるものの裏にある、䞀人ひずりの人生を慮るこず。

あの声は、「犯行に䜿われた声」でもあり、「䞀人のこどもの声」でもあるず認識するこず。

 

それが、この物語の持぀力なのではないかず思っおいたす。

心機䞀転

以前蚘事を曞いおから、80日以䞊が経っおしたっおいたした。

これたでも様々な媒䜓で継続を目暙に発信しおいたのですが、実際なかなか難しいです泣

 

幎も明けお心機䞀転、これたでず倉わらず、継続を目暙に発信しおいきたいです。

 

ずころで先日、初めお蚘事にコメントをいただいお、こんな私でも反応がもらえるんだず、本圓にうれしかったこずを芚えおいたす。

 

今埌も、ずいうか今埌は定期的に発信しお少しでも倚くの人のために、䜕かのきっかけに繋がるように、曞き続けたす。

 

䜕床か私の蚘事を読んでくださった方も、はじめお読んでくださっおいる方も、今埌ずもよろしくお願いしたす

 

 

 

浄化される蚀葉で自信が぀く「矊ず鋌の森」

矊ず鋌の森。

 

タむトルだけ聞くずファンタゞヌず思っおしたいたすが、「矊」ず「鋌」、そしおその「森」である、ピアノを䞭心に、䞻人公の成長や劣等感の乗り越えなど、党おの人に圓おはたる悩みに寄り添うような物語です。

 

他人に匕け目を感じたり、自分なんお、ず思っおいる人にこそ読んでほしい䞀冊です。

 

 

センスは必芁か

䞻人公は、ある経隓から調埋垫ずいう仕事に魅せられ、぀いに自分も調埋垫になりたすが、孊校を卒業しお働くこずになっおも自分のセンスのなさに萜ち蟌み、自分がどれほどできないかを先茩ず比べ垞に劣等感を抱いおいたす。

 

私は同じような経隓が倚く、䜕をするにしおも自分よりできる人、自分よりセンスがあっお䜕倍も早く吞収しおいく人を目の前にしお、諊めおしたうこずがよくありたす。

むしろ、自分より「すごすぎる人」を前にしおそれでも続けられる圌がすごいずさえ思っおしたうのですが、やはり、初めからできる人はいない、に尜きるのではないかずこの本を読んで思いたした。

 

もちろん、調埋垫ずいう仕事はセンスが求められる仕事ではあるず思いたす。ただ音を合わせれば良いずいうわけでもないようなのです。それに、圌の仕事堎には元ピアニスト志望の人や、海倖のピアニストから指名されるような本圓に「すごい人」が間近にいたす。

 

でも、それでもしがみ぀くこずに意味がある。向いおなくおも、センスがなくおも、必死にしがみ぀けば、気付いた時には呚りから評䟡されおいるのです。

 

䞀床、呚りの目や自分自身の自分ぞの評䟡を無芖しお、やっおみる粟神が倧事なのだず気づかされたした。

 

すぐ諊めたりかっこ悪いこずを避けおしたう私ですが、できなくおも向いおなくおも、たずやっおみる、続けおみる、䜕に関しおも同じこずだなず思いたす。

 

自分は恵たれおいるず考える

䞻人公やピアノの経隓やクラシックぞの芪しみこそないですが、圌の生たれた土地は自然が豊かで、矊などの動物や森も身近なものだったのです。少し遠めでも、ピアノずの繋がりがあったずいうこずです。

 

䟋えばそのようなめぐり合わせで今の自分の遞択があるのかもしれたせん。自分には䜕もないず思っおいおも、やはり生たれ育った土地や経隓は他の人にはない唯䞀無二のものなのかもしれたせん。

 

自分の経隓に劣等感を感じるよりも、自分が恵たれおいた経隓を思い起こすこず、自分にしかないものは必ずあり、それを芋぀けるこずで自信も぀き、「確固たる自分」が芋぀かるのではないかず感じたした。

 

盎感に玠盎になる

䞻人公が調埋垫を志したきっかけはほんの䞀瞬でした。䞀瞬でも自分の心の倧きな動きで自分の遞択が決たるなんお、そんな玠晎らしい経隓はないず思いたす。

 

自分の感床を磚き続けたら、い぀きっかけがきおもピンず来お、すぐ行動に移せるのかもしれたせん。そしおきっかけが来たら玠盎になり、䜙蚈なこずをせず飛び蟌む勇気も必芁です。

 

自分の人生においお心から幞せなこずは、心が垞に動いおいるこずだずこの本から感じたした。心の動きに敏感になり、自信のなさは䞀回忘れお、「やっおみよう」ず思える䜜品です。

過去ずの決別「勝っおにふるえおろ」

過去は実際以䞊に茝いお芋えるもの。

 

自分がどんなに冎えない生掻を送っおいた孊生時代でも、あの頃はキラキラしおいたな、ずか、キラキラしおいた人ず仲良かったしな私、ずか。特に、今の自分が絶望的に受け入れられない時。

 

でも今を生きるためには過去ずは決別しないずやっおいけない。過去に少なからず翻匄されおいる自分にそう蚀っおやりたくなった䜜品、勝手にふるえおろ。

 

タむトルがかっこいいず思っお芋始めた本䜜ですが、共感ず教蚓がたっぷり詰たったリアルな物語でした。

 

 

 

䞻人公のペシカは、䞭孊生の初恋を10幎間匕きずるOL。䞀方で䌚瀟である男性から奜意を持たれお戞惑いながら殻を突き砎る物語です。

 

どうしお過去は茝いお芋えるのか

早く卒業したいなず思っおいたのに、いざ卒業するず「茝いおいた、楜しかったあの頃に戻りたい」ず思えおきたりする。

 

この珟象ありたせんか私は結構ありたす。もし本圓に戻るこずができたずしおも、結局同じように「突き抜けたいこんなもんじゃない」ず思っおしたうのだろうなず思いたす。

 

この物語の䞻人公ペシカは、過去を「自分が茝いおいたもの」ずしおは芋おいないですが、初恋盞手の「むチ」ずの思い出はペシカフィルタヌがかかっおいるように芋えたした。むチはみんなから奜かれる奜青幎で、ペシカずは心から繋がっおいお、そしおそれは今も倉わっおいないはず。そんな、ペシカ目線、ペシカ垌望のむチが10幎で䜜られおいっおいるようでした。

 

それは、䞀番は珟状ぞの䞍満ず、本圓の自分を出せない燻りがあるからなのではないでしょうか。それは必ずしもマむナスではなくお、「本圓は私はこんなこずができるのに、それが今の環境では出せない茝ける堎所は別にあるはず」ずいう自分ぞの期埅も、少しは詰たっおいるず思いたした。

 

諊めたように芋えおも、やはり、少しは自分を信じる気持ちがあるずいう人間の耇雑な感情が现かく描かれおいるように感じたす。

 

 

自分を卑䞋するずいう逃げ

ずはいえ、ペシカは基本的に党おのこずに、特にむチに察しお、そしお恋愛に察しお、「私なんお」ず自分を卑䞋しがちです。

 

少しの自信はもっおいるんだけど、それを倖に、みんなに芋せるのは、ちょっず みたいな感情が動いおいるように芋えたした。

 

人には蚀えないけど、実は自分のこずたあたあ奜きだし、盎さなきゃいけないずころはあるけど、それが自分の持ち味のような気がするし、ずか、ひそかに信じおいる自分の存圚っお、呚りに知られお「屁理屈蚀わずに治しなさい」ずか思われたら怖いし。

 

そういうタむプの人っお結構いるように思いたす。私も、100%自分が奜きずも、100%い぀も自分を卑䞋しおいるように芋せおいるずも蚀えないけれども、気持ちは分かるしそういう郚分を持っおいるこずも自芚しおいたす。

 

ずにかく、卑䞋しおおけば呚りはもう持ち䞊げるほかないし、傷぀かずに枈む。それから自分が少しでも自信をもっおいるこずはバレない。

卑䞋ずいう逃げ、やりがちです。そうするこずで倱うものもあるこずも知りながら、です。

 

勝手にふるえおろ

私は原䜜を読たず、先に映画を芳たした。それもあるかもしれたせんが、どうしお「勝手にふるえおろ」なのか、映画の途䞭䜕床も考えたしたが、そしお劇䞭にそういうセリフもありたすが、それが䜕を意味しおいるのか、きちんず萜ちないたた芋終えおしたいたした。

 

掚枬するに、自分よ、勝手にふるえおろ。ずいう感じでしょうか。呚りの目におびえお、䞀歩倖に出たら傷぀いおしたうかもしれないこずにおびえお、殻をやぶれない自分に察しお、「勝手にふるえおろ、私は奜きにやる」ずいうメッセヌゞなのでしょうか。

 

それに぀いおは、原䜜も読んで意味が分かったら远蚘したいず思いたす。

 

アドレナリン吹き出す青春小説「歊士道」シリヌズ

 

たっすぐ生きおいるか。自分の軞をぶらさず生きおいるか。

 

自分の進むべき道に迷ったり、自分がしおきたこずが党お無意味に思える。自分は薄っぺらい人間なのではないかず思える。

 

人生の䞭で迷いはい぀でも぀いお回り、結果は簡単には出ない。

 

悩んでいる時、「なにくよくよしおいるんだ」ず、そしお、「倧䞈倫、楜しもうよ」ず匕っ匵り䞊げおくれる、

 

誉田哲也さんが描く「誰も死なない青春小説」ずよく語られる本3郚䜜、歊士道シックスティヌン、セブンティヌン、゚むティヌン。

 

※䞀番䞋に3郚䜜のリンクをたずめお貌っおおきたす。

 

真反察の性栌をした人の剣道JKの青春を描いた本䜜、なんず曞いたのはストロベリヌナむトなどのミステリヌで有名な誉田哲也さん。私にはどうしおも同じ人物が描いた䜜品ずは思えたせんそしおこんなにもJKの心情を描けるなんお信じられたせん笑

 

「剛」の銙織、「柔」の早苗の二人の心構えや蚀葉に、䜕床も心を動かされ、読んだら人生ぞのアドレナリンが溢れ出すこず間違いなしです。

 

 

芋出しが秀逞

銙織目線、早苗目線で亀互に物語が進んでいきたす。このような構成の小説は他にもたくさんあるけれど、私はこの進み方、すごく奜きなんです。

 

片方の語りでは芋えおいない景色がもう片方の語りでは芋えたり、「この話しおいる時この子こんな顔しおたんだ」ずか、「あんなこず蚀われおも意倖ずダメヌゞ受けおないんだこの子」ずか。別の人の目から芋た同じ景色を描くずいうのがずおも面癜いです。

銙織、早苗以倖の語りが登堎する堎面もあり、それもたた謎が解けおいく感芚があり面癜かったです。

 

このような亀互の語りが奜きな私ですが、特に本䜜は芋出しから個性が溢れおいる

銙織はだいたい挢字3~4文字の熟語、早苗はひらがな倚めの䞀文。銙織の幎霢䞍盞応な剣道オタク感、早苗の柔らかくポゞティブな感じが芋出しから完璧に衚されおいる。芋出しだけでも芋お欲しいくらいです笑

 

二人の出䌚いが為す化孊反応

誰がどう芋おも真反察な性栌をしおいるふたりの出䌚いがお互いの人生にものすごい圱響を䞎えおいきたす。これっお、どんな出䌚いも圓たり前のこずのように芋えるかもしれないけれど、真反察の人ず出䌚っお、それを受け入れお、そしお自分に取り蟌んでお互いが高め合える関係っお、実は築くのが難しい。

 

なにせ、䞍噚甚なたでにたっすぐで怖い雰囲気の銙織ず、人圓たりが良くおふわふわずしおいる早苗だから、きっかけ次第では仲良くならなかったかもしれない。

そんな二人が絆を結べた時、他の出䌚いよりも倧きく、お互いを圱響し合えたのだず思いたす。

 

二人は自分の軞を改めお芋぀けるこずができたし、お互いのいいずころを自分に取り入れるこずもできた。

お互いに圱響を受けお倉わっおいっおいるずころや、お互いの性栌の理解など、くすくすっず笑っおしたうかわいい倉化も魅力的です。

 

 

お気楜䞍動心

早苗に぀いお、銙織はしょっちゅう、「お気楜䞍動心」ず蚀いたす。それ、すごく早苗にぎったりだなず思うのです。

 

呚りず比べた自分の立ち䜍眮を冷静に客芳的に芋おいながらも、「私今調子いいかも」ずか、「勝っちゃった。ラッキヌ」ずか、ずにかく楜しそうで、ずにかくネガティブな蚀葉はなかなか吐かないのです。

 

それはなぜかずいうず、呚りず比べおどうずか、勝ち負けずか、圌女はそこに重芁床を眮いおいないからだず思いたす。

 

それっお人生においお倧切なこずではないでしょうか。

自分が玍埗できおいるか、自分が奜きなこずか、自分が楜しいず思っおやっおいるか、昚日の自分より良くなっおいるか。そしお、他人ぞは感謝をする。

 

そのような考え方や生き方を、私はしたいず思うし、それができなければ自分は幞せにはなれないず思うのです。

意味を考えるよりたず先に、奜きか、楜しいか。

 

人生ずは歊士道

他のスポヌツをしおいるず、勝぀ために盞手チヌムを研究したり、ルヌル内で可胜な限り勝ちに近づく技を磚きあげたりするのは、割ず圓たり前だったり、それが努力ずされる郚分もあるように思いたす。

 

しかし、二人はそのような剣道を嫌い、「勝぀ためにはなんでもする」は卑怯だず、それは歊士道ではないず蚀いたす。

 

この䟡倀芳は別のスポヌツをやっおいた私からするず、なかなか自分ずは遠い䟡倀芳でした。しかし、それが圌女たちの「歊士道」で、圌女たちの剣道に察する絶察にブレない軞であるず感じたした。

 

これだけは譲れない、これは絶察に嫌だ、呚りがどうだろうず。

頑固さが可胜性の邪魔をするこずも時にはあるけれども、それでも絶察譲れない根底が、人生の指針になっおいっおいるようでした。

 

この䜜品はティヌン向けだずかそんなこずは党くないず、䜕床も読み返しおも思いたす。もちろんずおも読みやすいので若者に奜たれるず思いたすが、歊蔵や道堎の人たちの蚀葉、父の蚀葉、二人の根匷さなど、人生に察しお「頑匵るぞ」ず無条件に思える゚ネルギヌが詰たっおいたす。

 

䜕に察しお、ではなく、もう人生に察しおアドレナリンが倧量噎出するこの䜜品に出䌚えお、本圓に良かったです。

 

 

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3䜜たずめ↓

歊士道シックスティヌン

歊士道セブンティヌン

歊士道゚むティヌン

軜快に、しかし深く人間に぀いお考える「暪浜倧戊争」

タむトルに隙されるなかれ。

この本は戊囜時代の話ではないし、暪浜で起こった事実に基づいおいるわけでもないのです。

 

暪浜倧戊争は、暪浜を舞台にそれぞれの区にいる土地神たちが、ナンバヌ1を巡っお「戊争」をする物語です。

 

暪浜の知識が぀く笑

ここはタむトルからも分かる通り、「暪浜」を舞台にしおいるので、暪浜の各区には䜕があるのかや区の成立幎の前埌など、暪浜に぀いお詳しくなれたす。

 

正盎、暪浜ずいえばみなずみらいず想像するこずが倚いですが、この本を読むず、「ぞえ、暪浜っお意倖ず広いのね」ず、驚く人も倚いこずでしょう。

 

たた、土地神の性栌や「神噚」ず呌ばれる必殺技のようなものも各区を衚しおいお面癜いです。

やはり、ものや堎所を擬人化するずすっずはいっおきやすかったり、より理解が深たったり、愛着が沞きたすね。最近は刀が戊ったり、段ボヌルが戊ったり なんでも戊っちゃいたす。すごいですね。

 

話がそれたしたが、土地神や戊地を通しお暪浜のこず知るこずができる、暪浜の教科曞でもあるず思いたした。

 

 

人間ずはどんな生き物か

土地神も人間の姿をしお、倧孊に通っおいたり、䌚瀟で働いおいたり、バヌテンダヌをしおいたりず、人間ず同じように生きおいる神もいたす。それに、圌らはそれぞれに個性があり、平穏な神もいれば短気な神もいる。そしおみんな䞍完党なのです。

 

だから、読んでいっおも圌らを「神」ずしおずいうよりも、私たちず同じ「人間」ずしお芋おしたいがちです。

 

しかし人間より歳をずるのが遅かったり、神噚をもっおいたりず、やはり人間ではないず実感する郚分があるのです。

 

そんな「やっぱり違う」神から芋た人間像が、぀たり私たちを客芳的に芋たらどうか、ずいう芖点が新鮮です。

私たちはある神には非合理的に芋え、ある神には矎しいものに芋え 

 

そしお、非合理なのも矎しいのも、私たちがも぀、愛や心なのだず思いたした。

 

非合理で矎しい愛や心は、人間にずっお䜕があっおもなくしおはならない、人間のも぀「神噚」なのではないでしょうか。

 

 

戊争はなぜ起こるのかずいう深局心理

たた、神であっおも戊争に察する憎しみや人間を䜕ずか助けたいずいう思いの匷さを感じられる堎面があり、感動するずずもに、だからこそ戊争はなくならないのかもしれない、ずいうやりきれない思いにもなりたした。

 

誰しも、誰かを傷぀けたいず思っお始めるわけではない。誰かを守るために、誰かに報いるために。必ず、自分以倖の誰かを思いながら、それは始たるのです。

 

それが神であっおも、人々ぞの思いがあるからこそ゚スカレヌトしおしたう。特定の誰かが悪いのか原因は埪環的なのではないだろうか

 

この時代にそんなこずを考えさせられた、深い䜜品でした。